収納は、快適で機能的な家づくりのためには欠かすことのできないアイテムですが、その用途や方法によっても工夫の仕方はさまざまです。例えば下駄箱。家族が多いお宅や靴マニアの方にとって、靴の収納はしっかりと場所を確保しておきたいもの。ではどのような下駄箱にするのがよいのでしょうか。今回は、いろいろな形の靴収納を考えていきます。スペースやインテリアに合った棚を見つけてみてくださいね。
下駄箱と聞くと、学校にあったような細かな格子状の棚を思い浮かべる方もあるかも?!もちろんご自宅では、据え置き型や造作タイプなどいろんな形、サイズの収納となるでしょう。家具の選び方で玄関まわりの雰囲気も変わってきます。
こちらは大阪の建築家・COIL松村一輝建築設計事務所の手がけたお宅のエントランス部分。開放的な空間に、壁掛け式のオープンシェルフが設置されており、お店のようにディスプレイされています。見せる収納も、並べ方によってぐっとスタイリッシュになりますね。
Photo: 増田好郎
大人の靴、子どもの靴、TPOに合わせたデザインのものなどを並べると、どうしてもごちゃごちゃとしてしまいがちです。すっきりと見せたい場合には、下駄箱は扉の奥に隠してしまうのがシンプルな方法。こちらのように、壁に造作された靴箱は、人目につかず、これほど高さがあるとかなりの数の靴が収められるため、靴マニアでも安心してストックできそうですね。リフォームや新築をされる方には、準備段階から考慮したいデザインです。
下駄箱は玄関横に配置されることが多いと思いますが、空間に余裕がない場合には、小ぢんまりとした大きさの棚しか置けなかったり、またはすべての靴が入りきらなかったりということもありえます。シーズンオフの靴なども含め、レギュラーポジションになくても大丈夫なものは、空き空間に仕舞うのがスマート。例えばこちらのように、階段下のデッドスペースを上手に活用できると、見た目にもすっきりしますね。
靴のデザインによっては、収納が容易でない、または型崩れが気になるということも起こりえます。その筆頭に挙がるのがブーツ。しっかりとした素材のものであっても、ロングブーツなどではブーツ用のシューズキーパーがないと自立できないことが多いもの。しっかりと立てても、何足もブーツをお持ちの方であれば、何かの拍子にドミノ倒しになってしまうことも?!こちらの棚は、ブーツを特殊なハンガーで吊るして仕舞えるデザインですので、いろんなブーツの問題をスマートに解決してくれそうですね。
靴の数はあまりないという方、玄関まわりに余裕がないという方ならば、こちらのようなスマートで背の高いタイプの下駄箱を導入してみるのはいかがでしょうか。横幅をあまりとらないながらも、背が高いため、収納できる靴の数はそれなりにありそうですよね。一人暮らし、二人暮らしの方の玄関先に、または玄関からあぶれた靴を、クローゼットなどの隙間スペースに仕舞うためにもよさそうです。
元々靴をたくさん持っている方、家族が多い方で、家を新築される場合、初めから大容量のシューズクロークを計画しておくのも安心かもしれません。こちらのお宅では、玄関の土間からスルーで繋がる靴用のストレージが。棚板の高さにヴァリエーションを付けることで、収められる靴の数をさらに増やすことが可能になります。また、自転車やキックボード、遊具などの収納や仮置き場所としてなど、用途もさまざま。きっと、あってよかった!と思える空間になるはずです。
Photo: ジャストの家